Fictional Tourism /シベリアへのプロローグ 2013

光りを観る

シベルアへの “観光 “は、”Fictional=想像力 “として始まった。まだ見ぬ地域へのプロローグだ。”Tourism”とは何か、”Tourism=観光 “とするならば、その語源は、中国の儒教の古典『易経』から由来する。「国の光を観る」とされているが、光を意味するものは何か、その比喩的解釈は?。私が考える光とは、生活である、生命の営みだ。生命の営みとは目に見えない輝きであり、それは想像力によってしか感じることができない。”Fictional Tourism”とはその想像力=光を感じる旅である。光を観るということは、そこには必ず影も存在する。光と影は二項対立するかのように考えられるがここではそれはない。はっきりとした境目、ラインはない。影はグラデーションをともない光へと.がる。

単純であり複雑なもの

’LIFE& life’シリーズでのアプローチは、プライベートな生活 (life)からルールや考えをもとに決定していくプロセスを辿る。今展でもそうだが、常にパブリックとの双方向性が構造化する。しかし、創出された非言語化空間は、不確定的で流動的な多様体である。そこにある知の空間での意味作用は、多様な解を持つべきであるし、配置された鏡、壊れたバイオリン、塩、光、影、時間がどのように発言するかが重要だ
*バイオリン:シベリアで亡くなった叔父の遺品