” Tolerance ” 2011 憲法九条へのオマージュ

「日本国憲法 第二章 戦争の放棄 第九条」のテキストと鏡、光を要素として空間構成する。鏡は、22枚で11枚ずつ屋根型に抱き合わせた構造で自立すようにできている。片方の辺に第九条の英語訳と、もう一方は日本語で半転文字として書かれており、クリップでの挟み込みだけの微妙な接合で成り立っている。鏡は中国製。天井には、人感センサーを設置しており、人が近ずくと、ある一定の時間スポットでライティングされ、鏡の反射でテキストが映し出され、すぐに消えて行く。われわれは、今まで戦争を放棄したことはない。美しく映し出される九条の文面は、墓標のようにも見え、瞬間立ち現れてすぐに消えさる。そこに何が残るのだろう。